夏が近づくとよく耳にする「暑気払い」という言葉。
これは「暑さを取り除く」という意味を含んでいますが、具体的にどういう意味なのか、またどんな時に使うのかを知らない人も多いでしょう。
ここでその意味と使われるタイミングについて詳しく説明します。
暑気払いとは何か?
社会人になると、「暑気払い」と聞いて夏の飲み会を想像する人が多いです。
確かに職場で「暑気払いの飲み会をしよう」という提案がされることはよくあります。
しかし、「暑気払い」とは単に飲み会を意味するのではなく、文字通り「暑気(暑さ)を払う」ということ、すなわち夏の暑さで体が熱くなった際にそれを冷ます行為を指します。
そのため、夏の飲み会で冷たいビールを飲むことは、仲間と涼を取る行為として「暑気払い」とされることがあります。
ただし、体を冷ますという要素が欠けている場合、それは真の暑気払いとは言えません。
暑気払いの方法とは?
飲食による暑気払い
夏に体温が上昇した際に、飲食物を使って体を冷ます手法です。
☑ビール
☑そうめん
☑ひやむぎ
☑きゅうり
☑ゴーヤ(苦瓜)
☑すいか
☑かき氷
これらの食べ物や飲み物は夏の暑さを和らげるのに一般的に利用されます。
夏は麦の収穫期で、新鮮な麦を使った料理は体にも良いとされています。
特に冷たいそうめんやひやむぎは、暑さを逃がすのに最適です。
さらに、麦から作られるビールも、暑い日に飲むと体の熱を和らげるのに効果的です。
会社での暑気払いの際には、ビールがよく選ばれる飲み物となっています。
また、夏の旬を迎えるきゅうりやゴーヤ、すいかは体温を下げる効果があるため、夏バテ防止にも役立ちます。
暑気払いにあま〜いスイカとフローズン日本酒で乾杯🍶🍉💕
日本酒×スイカの相性抜群!!🥰 pic.twitter.com/TgkXFBroBG
— ✿優里✿ (@09yuri30) July 15, 2024
みんなに愛されるかき氷も、長年にわたり暑気払いの食べ物として親しまれています。
体を冷ますために、温かいものを摂ることもあり、伝統的にはびわや桃の葉を使ったお茶や漢方が暑気払いとして飲まれていました。
涼を求める活動
食べ物や飲み物だけでなく、涼を得るための活動も暑気払いの一環として行われます。
例えば、川で泳いだり、プールで遊んだりすることがこれに含まれます。
下記で更に詳細に解説してきます!
自然環境を活用した暑気払い
夏の熱さを自然の力で軽減する方法として、木陰での休憩や水辺での過ごし方があります。
例えば、大きな木の下で休むことで、直射日光を避けながら涼しい場所を見つけることができます。
木々は太陽の熱を遮るだけでなく、空気を浄化する役割も担っているため、自然の中でリラックスすることができます。
また、川辺や湖畔などの水辺は、涼しい環境としても知られています。
曇ったり晴れたりで、一時ザーッと雨が降る。
最低19.8℃、最高29.8℃と、もう少しで真夏日。
今日の写真は、暑気払いということで2週連続で訪れたクテクンの滝の様子です。
残念ながら2回ともお天気には恵まれませんでしたが、清流が気持ち良かったです。 pic.twitter.com/2gNApiTYR7— 中標津町郷土館 (@nakakyou46) August 5, 2020
水は周囲の熱を吸収しやすく、蒸発する際に冷たい空気を作り出す効果があります。
こうした場所では自然が提供する涼しさを直接体感しながら暑さをしのぐことができます。
さらに、海辺の散歩や山でのハイキングは、風通しが良く涼しいため有効です。
山は特に標高が高くなるほど気温が低く、都市の暑さから逃れるのに最適です。
これらの活動は運動にもなり、健康維持に役立ちます。
伝統的な技術を用いた暑気払い
日本には夏の暑さを和らげる伝統的な方法が多く存在します。
たとえば、すだれや簾(みす)の利用があります。
これらを窓に取り付けることで直射日光を遮りながら風を通すことができ、室内温度の上昇を防ぎます。
また、これらは見た目も涼しげで、室内に和の雰囲気を加えることができます。
👉風鐸として仏教伝来と共に伝えられ風鈴。当初は、お寺の境内の軒先に魔除けとして吊るされていたそうだ。強い風は流行病や悪い神をも運んでくると考えられていたことから、音によって邪気を追っ払う。 そんな風鐸が風鈴として、夏を乗り越えるための暑気払いのための器具として次第に定着⬇ pic.twitter.com/XPsFIMV898
— kinGO»からだケアMT🍥 (@kinGO_karadakea) July 22, 2024
風鈴もまた、暑気払いに用いられる伝統的なアイテムです。
風鈴が奏でる涼やかな音は、心理的に涼しさを感じさせ、暑い夏の日に心の安らぎを提供します。
また、うちわや扇子を使って自分で風を起こすことも、体温を下げるのに役立ちます。
これらは携帯が容易で、どこにいてもすぐに涼を得ることができるため、外出時にも非常に便利です。
暑気払いの適切な時期
「暑気払い」という言葉は、特定の時期に限定されるものではありません。
この言葉は「暑さを取り除く」という意味を持ちますので、暑さを感じる期間であればいつでも使用することが適切です。
通常、梅雨が明けて暑さが強まる時期から、9月初旬の残暑がまだ感じられる頃までが、暑気払いに最適な時期とされています。
まとめ:元気に夏を過ごすための暑気払い
エアコンなどの冷房機器を使用せず、自然の涼を求める飲み物や食べ物、または川での遊びを通じて体を冷やすことは、日本の伝統的な夏の過ごし方です。
これは季節に寄り添った生活を大切にする日本文化の一環とも言えるでしょう。
職場で暑気払いのイベントが開催される際には、その本来の意味を共有することも有効です。
特に、イベントの幹事が乾杯の挨拶でこの話題を取り上げると良いでしょう。
この夏も、暑気払いをうまく活用して、健康的に過ごしましょう!